Vue.jsビギナーズガイド などを著書に持つushironokoさんの記事。
とくに共感したのは以下の文章
Vue は長らく「持たざる者のための宣言的UI」でした。React は Javacript さえ書ければ使えると評されるように、裏を返せば JavaScript を書けないデザイナーや非フロントエンドエンジニアにとって扱いが難しく、jQueryが支配的な環境において Vue の存在はとてもありがたかったのです。 https://ushironoko.me/articles/2022/vue-ore-taido
僕がVueを知ったのは「Angularほど難しくない軽量データバインディング」としてのVueだったのでニーズが重なっていた。逆にこのニーズは今後Vueではなく別のライブラリが補うことになるのかもしれない。
TypeScript対応もComposition APIもVueがより大規模でプロフェッショナルなプロジェクトで機能するように目指す改善だというのはEvanの発言を見て認識していた。
Vue3へのマイグレーションめっちゃ大変話(Vue 3 was a mistake that we should not repeat) もこれも裏を返せばVueやAngularがリリースプロセスや後方互換性を重視して管理していることを表わしていて、ローリングリリースをメンテナンス人口でカバーするやり方から見ると優れた面もあると思う(LTSとか)。
Vueが特定の時期にReactより導入が進んでいたのは非JavaScript専門家にとって敷居が低かったのもあるし、ただその時点での業界の多数派だったという可能性もあり、卵と鶏の関係になっていると思う。
僕は フレームワークのシェアを重視しがち で触れたように多数派によって技術選定が左右されてしまう現状は、より長い目でみると将来変化するかもしれない一時的なトレンドという仮説も持っていて、バランスを取るためにこれをしきりに推していきたい。
プロジェクト内でフレームワーク乗り換えなどの大きな変化はロードマップになるしより成果として表現しやすいから注目されやすいが、変えないことを選択し続けることも同じぐらい影響を与えるのではないか。
とはいえトレンドアウトしてメンテナンスされないものは、変えるか自分が参加するしかないので分かりやすいけど、多数派でない活発にメンテナンスされ続けるフレームワークをどう扱うのかは難しいところだとは思う。
色々な判断軸があると思うけど、僕の場合はアップデートして使い続けることに価値を置いてる。フレームワークを変えてDXを向上してプロダクトへポジティブな影響を及ぼす、というのが大規模な技術組織に置いて正解なこともあるし、プロジェクトやプロダクトの非技術的なレイヤーに問題を見出す場合は道具だけを変えても解決しない。
「フレームワーク乗り換える必要なし」といっても新しいものを受け入れないということではなくて、必要に応じて新技術を検証したりサイドプロジェクトで実践したりする余地を確保するべきだと思う。
だから今「採用を考えて多数派フレームワークに移行しましょう」と言われてウッとなってしまう時に「今あるものを深堀りする方が私たちにとって得策なのかも?」と対抗できるぐらいにはフレームワーク乗り換える必要なし系の意見がもう少し欲しいところである。