人々がサ終リスクに怯えるGoogleの実験的サービスNotebookLMをしばらく試してみたのでレビューする
どのような用途に利用できるか
- 論文やレポート、記事、プレゼンテーション資料などの執筆のための情報収集
- 書籍データをソースにして読書と読書メモをつける
- ソースを元にAIを使ってアイデアの創出、ブレインストーミングなどを生成する
のような、保持しているソースをもとに要約・抽出・読解を補助する一般的なタスクで活用できる。
ソースはGoogle Driveにある文書やスライド、PDF・テキストファイルあるいはテキストをコピペして自由に追加できる。
GeminiやGoogle AI Studioを使っても画像やファイルをアップロードして似たような単発のチャットは可能だが、NotebookLMでは複数のソースを蓄積してそれに対して逐次検索と生成を行ってくれるのが違いになる。
画像の扱い
WebページのURLやPDFをインポートするとテキストのみの抽出がされるので画像データが失われてしまう。これを回避するにはGoogle DriveのDocsへ一度画像ごとコピーして取り込みと良い(ショートカット:https://doc.new/ )
NotebookLMのソース形式を比較してみたところGoogle Docsからインポートした時のみ画像を認識していた pic.twitter.com/YM1biCB5tE
— laiso 𝕏 (@laiso) 2024年6月16日
テキストファイルの扱い
標準では*.txt
というファイル名しか受け付けてくれないが拡張子だけしかみてない。なのでたとえばMarkdownのファイル名を*.md.txt
とリネームすると追加できる。
(追記)テキストとは別にMarkdownファイルも追加されたので現在はリネームは不要です
言語の切り替え
もしNotebookLMが生成する言語を変更したい場合、自分のGoogleアカウントの言語を変更する必要がある。
https://myaccount.google.com/language
スクレイピング結果を放り込む
NotebookLM自体のヘルプページ群やニュース記事をたくさん取ってきて1つのノートブックにした。更に”How to Take Smart Notes: One Simple Technique to Boost Writing, Learning and Thinking (English Edition)”というベストセラー本の方法論が書かれているページもウェブから取ってきて、これらを合体させて「NotebookLMを活用したノートテイキング実践方法」を考えてもらった。
TIPSとして、質問をするとソースの検索のみをしてくれるが、「考えて」と明示するとソースを参考にAIとしての意見をくれる。
例:「ソースを参考にNotebookLMを使ってSmart Notesを実践する方法を教えて」→「実践する方法を考案して」
「ウェブサイトを単一のPDFファイルにしてダウンロードするスクリプト」がご家庭にあったのでそれを使って https://support.google.com/notebooklm をPDF化した。
単一のWebページはこれも普段使っているmozilla / readabilityでコンテンツ本文を切り取るブックマークレットがあったので、それをかけてから前述のとうりGoogle Docs経由でインポートした。
一般的なご家庭にブックマークレットはないかもしれないのでChromeのリーディング モード経由で同じことができるかもしれない。
React本体のソースコードをアップロードする
テキストファイルを取り扱えるということはOSSリポジトリもいけるよねというマッチョ思考のもとReact本体のソースコードをアップロードしてみた
細かい説明は省くがシェルスクリプトでtxtファイルにまとめる
find ./packages/ -type f -not -path '*/\.git/*' -not -path '*/node_modules/*' -name '*.js' -or -name '*.ts' -exec cat {} + > ../repository_content.txt
定量的に測ることはできていないが、Reactの実装を解説するBOT君としてはあまり満足いく結果にはならなかった。
感覚的には「Google Gemini APIにリポジトリのソースコードごと送って質問する」の回答のが良い。
利用上の問題
大きなサイズのPDFの扱いがうまくいかないことがある。あるRedditの投稿では、ファイルを小さな単位に分割し、特定のページを削除するまで、NotebookLMが自分で提案する質問にさえ答えることができなかったと報告している。
私の実験では256ページの電子書籍1のあとがきの文章について質問したところ、関連する内容を回答できていた。ただリファレンスのリンクは付けてくれなかった。
- 【AI用に物語思考のPDFを公開します】(購入者向け)↩