西尾維新「コドモは悪くないククロサ」(メフィスト5月号)

流し読み。キツガイ小説だった。二十三人の妹を持つ私。十何番目の妹は毛布に火を付けくるまって焼却炉の中へ入る遊びをしている、モクモク。十何番目の妹は朝食に「私の脳髄スープ」をだしてくれた。等の壊れた世界が繰り広げられていた。なんだこれ。面白い。俺もこういう日記が書きたい。

大槻ケンヂ『新興宗教オモイデ教』


1カ月前に学校から消えたなつみさんは、新興宗教オモイデ教の信者になって再び僕の前に現れた。彼らは人間を発狂させるメグマ祈呪術を使い、怖るべき行為をくりかえしていた―。狂気に満ちた殺戮の世界に巻き込まれてゆく僕の恋の行方は?オドロオドロしき青春を描く、著者初の長編小説。
もっとどろどろぐちゃぐちゃしたデキのものだと思っていたけど案外しっかり書いてて普通に読めるじゃんとビックリ、しかも初長編だったのかー。よー書いたわ。
主人公とか良い。力持ってるけど事態に消極的。エヴァ的だ(この言葉使いたかった)。奇妙なおじさんキャラである「中間」も重要だ。そして、アングラバンドの無茶苦茶なパフォーマー達をモデルにしたという「ゾン」が良い味出している。「これでいいのだ」的結末も読後にせつない余韻を残す。あとタイトルの語感が良い、「オモイデ」って単語を入れているあたり。
<ぼく>はメグマ波という爆弾を行使しなかったけど、これを『ザ・ワールド・イズ・マイン』でモンという爆弾を手に入れた後のトシと比べてみたりして「無力な自分」「弱者」「セカイ」あたりをキーワードに何か語れそうな。
「この作品はPCゲーム『雫』に多大なる影響を与え……」とかしたり顔で語り出したいけど『雫』名前しかしらんわー。
【3】
新興宗教オモイデ教 (角川文庫)

新興宗教オモイデ教 (角川文庫)

浦賀和宏『とらわれびと―ASYLUM』


大学構内で発生した連続殺人。被害者はみな男性で、腹を切り裂かれて殺されていた。犯人を捜していた被害者の姉は、「妊娠」した男が次々と失踪するという奇妙な事件に出くわす。非日常の犯罪は「笑わない男」の指摘で予想もせぬ真相を明らかにする。圧倒的眩暈感!鬼才、浦賀がついに恐るべき真の姿を現した。
先生すいません、これはさすがにつまんなかった。つまんなかったというか納得いかなかった。デビュー作『記憶の果て』の真相部分に深く繋がってるんだけどそりゃーないでしょう、っていう。おまえ(真犯人)どっから出てきたんだ。しかも、「伏線がない」とか本人に言わせちゃってるし。いや、読み終わった人だけ分かればいいけど一応71Pに伏線らしきモノはあると思う。読んでる時、表現おかしいなぁって思ったし。これはあれですね。氷川透先生が言っていた「三人称小説むずしぎ!」問題に繋がりますね。
相変わらずシリーズ予習必須で、物語は視点が激しく入れ替わる上に時空列が(特に前半)はっきりしないので軽い文体に関わらずやたらと頭を使いました。まぁ、そこが良いところでもあるんだけど。今回はSFッ気があんまりないんだよなぁ、ミステリミステリしてて。
金田君は安藤君にぶっ飛ばされたせいでだいぶキャラ変わってましたね。魅力なくなってた。
そして、終盤のお披露目シーンに印象的な台詞が出てきた。

「科学的な根拠なんて、この際、関係ありません」
(略)
「金田君がそう信じれば、それでいいんです」

「金田君」を「読者」に替えてみればよいという……ほんとそんなかんじ。浦賀作品へのクサしに「科学的根拠」なんて野暮だわ。そういうモノを等に超えた魅力があるという――まぁこの作品はそうでもないと思ったけど。
次の『記号を喰う魔女』は浦賀先生を浦賀先生たらしめた傑作作品らしいので期待しておきます。
【2】

とらわれびと―ASYLUM (講談社ノベルス)

とらわれびと―ASYLUM (講談社ノベルス)

archiveページをうまく使えないかな、という試み。