就活日記 (6) ユビレジ訪問

前回までのあらすじ
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(0)で5社にアポを取ったと書いたけど、その投稿を見てもらってお誘いがあったのでユビレジへ行ってきました。

ユビレジは

ユビレジはiPadを使ったレジシステムです。店舗ではiPadをレジとして使い、会計を処理します。会計の情報はインターネットにアップロードされ、どこからでも確認できます。

https://ubiregi.com/ja

にあるようにiPadを使ったレジシステムであるクライアントアプリ、ウェブシステム、APIサーバーなどを開発している会社です。akisuteさんによって書かれた以下の記事でどういう技術を使ってどういうことをやっているかというのが眺められます。

A-Liaison BLOG: ユビレジを支える技術

最近よく名前を見かけて採用活動も積極的な印象がありますが、

僕がお誘いの話をもらった時はとくそういう状況ではなかったのでユビレジって岸川さんCocoaデベロッパー3馬力ぐらいの働きで全部一人で開発してるんだろうなと思っていたぐらいで、とくに人を増やす必要があるイメージはなかったんですが最近は色々事情が変わってきたそうです。

エンジニアから見たユビレジの特徴といえば以下のGitHubに登録されているメンバー情報を見ればわかると思うんですけど各界の凄腕プログラマが参加していてなぞの豪華さがあります


People · Ubiregi Inc. · GitHub


「なんだこれは? アベンジャーズか」みたいな感じですが皆さん入った経緯は様々ですが勉強会などの縁とか紹介などがほとんどみたいです(これまでは、という意味)。

前述の岸川さんはおそらくiPhoneアプリ開発に携わる日本人なら間違いなく知っているであろう重要な開発者の1人で、知り合いのはてなユーザーの人向けで言うとはてな touchの作者の人です。

はてな touchソースコードも公開されていて当時iPhoneアプリ開発向けの実践的な書籍やウェブサイトは全然ない中読んで参考にしてたりしました。CocoaというかUIKitの作法にしたがって非常に行儀が良く作ってあるのでOSのアップデートしてもそのまま良く動くなど勉強すべきところがあります。

個人的にはてな touchのユーザーで丁度iPhoneアプリ開発を勉強しはじめた頃だったので動かなかった所を修正してGitHubではじめてpull-request機能を使ってパッチを送ってマージしてもらえたので印象に残っていました。

https://github.com/kishikawakatsumi/hatena-touch/commits/master

に名前がある(4年も前だ)。

昔からMac/Cocoaアプリとか開発しているエキスパートの人って僕から見ると天上人みたいな扱いなんですが*1実際の仕事環境を見学させてもらえたのでなんとか人間のレベルにまでおとしこめて理解できました。歳も意外と近かった。

kmizuさんはちょっと込み入ったプログラミング言語仕様関連のネットの話題にはしょちゅう名前を見かけるような人でScala関連の話題でよく知られていると思います。僕は個人的にAndroidアプリ書きたい→Java書きたくない→といったようなよこしまな動機からScalaに興味があるんですけど、Scalaのことを調べるとだいたい水島さんの情報が出てきてそれを読んでいます。

その他にもユビレジにはScalaに詳しい人が集っているイメージが以前からありました。

amatsudaさんはRubyコミュニティのことを全然知らない僕でも知ってるぐらい世界レベルから特定二十三区まで精力的に活動している人で。RailsRubyのコミッターでユビレジはRailsをバックエンドに使ってるのでRails/Ruby関連で困ったことがあれば聞けば何でも教えてくれるという用心棒のような役割を担っているそうです。

なんでそんな人たちがユビレジに集ってくるんだというのを皆さんは思うかもしれませんが、とくに今の段階では僕はよくわかっていないので答えることはできません。が創業者の二人にも癖があって結構面白みがあり、お二人の人柄というのもその中にあるんだなと感じました。

CEOの木戸さんは話す前は若い社長だというぐらいの印象しかなかったのですが、それがなかなかメンバーの中で一番落ち着いていてなんか妙な大物感というかカリスマ性があります。なんでそう感じるんだろうなーとずっと気になっていたんですが、声質とか振舞いとかそういった細かい要素なのかもしれない。もちろん人格というか思想というか内面から来るものが影響しているのでしょうけれど。

参考
27歳の起業家、木戸啓太が開発したiPadレジアプリ「ユビレジ」 « WIRED.jp

CTOのsoutaroさんは会社の採用ページの文章なんかを読むとわかりやすいんですが典型的なモヒカン族です。

モヒカン族 (ネット用語) - Wikipedia

モヒカン族ってまあネガティブな意味も含めて使われることもありますけど、soutaroさんは適度なゆるさみたいなものがあります。「ユビレジブログ」の文章やFacebookにユビレジユーザーグループというものがあって、そこでユーザーへのサポートのやりとりなんかが行われているんですが相手=顧客=ユーザーへの対応にかんして不用意に目下から行かずに、対等な視点からユーザーのビジネスに協力していっしょに成功させようというような姿勢が読みとれます。

僕のイメージするウェブサービスの世界なんかだと一人のユーザーの意見に対して直接どうこうアクションをとるというのは、ユーザーサポートの領域であり開発者視点からはあんまり意識したことはなく。お客様=ユーザーは神ではなく人間でもなくユーザーという独自の位置に置いて計測数値やフィードバックの集合からその背景の要望を汲み取るようなアプローチがとられていると思っていましたが。ことB2Bの世界だと顧客との継続的な関係というか本質的な問題解決というのを重視するとこのような態度は重要なのではないかと思います。

この思想が一番良くあらわれているのがこのユビレジのウェブ管理画面のエラーメッセーですね

業務系ウェブアプリケーションのエラーメッセージとしては破格のゆるさですが、使っている人にとってはこれがシステムのエラーなのか、どの程度で改善されるのかということが本質的な問題なので知りたいであろうことをそのまま載せちゃっています。

まとめ

以上、これまで各社について抽象的に賛美してあんまり人について書いてないなと思ったので人を中心に書いてみました。自分の会社のことで我が社にはこういう優秀な人材がとか書くとサムい感じになりますし、空気を読む感じの著者だと角がたつ表現はしないし、僕のような外部の人の視点で紹介できるのは有益なんではないかと思って書きました。

ユビレジはご存知のとうり積極採用活動中でどんどん遊びに行っていいという状況です。会社の意向ではなく僕の勝手な意見なんですがRailsiOSエキスパートの他にウェブフロントエンドに強い人(Backbone/CoffeeScriptを使っているそうです)、UI/UX専門家、ハードウェアまわりの知識豊富な人がもっといるとアベンジャーズ感高まるのではないかと思います。

※註釈
laiso先生の就活日記は来週は休載です

*1:逆にiPhoneからはじめたようなプログラマは良いライバルだと思っている