はてな擬人化 #2

[ はてな手帳出し ]乙女手帖の心得 WOTOME NOTE

インデアン、嘘つかない。インデアンの直祖である乙女もまた嘘をつかない。故に乙女手帖に書かれたことはすべて事実である。
ついでにスターリンは死ぬ(なぞの心臓麻痺によって)




世の中に悪と戦い、困った人を助ける無邪気な魔法少女なんてものは、児童まんがやアニメの中にだけ現れる存在なのであって決して、平凡な青年の日常生活には登場しない。登場しない。いや、登場しないのだが、たまには例外があることもないこともある。



「フッ、れいこん先生……あなたが僕とのデートにジーンズをはいてくるような安い女だとは思わなかった(キマった……)」
(むにゃむにゃむにゃ)
「ひえーまたフラれたぁ〜! 畜生! アルファブックマーカーになったらモテると思ったのに!」


ジリリリリリリリ


「ハッ! ……なんだぁ。夢かぁ(ほッ)」
(にちにち)
「うわっぷ! なんだこれは! いつのまにか掛布団が巨大なナンにッ!! 誰の仕業だ!? いいや! こんなことをするのはきっと――、」


どわしゃーん(窓)


「ぐおはははは!! 魔法じゃああああ! 珍妙奇天烈じゃああ!! 黒ミサじゃあああ!!! 豚頭と絞り血じゃああ!!!!!」
「とほほ……まったく。イタズラもほどほどにしてくれよ、はてなちゃ――違ッ!! 誰!?」
「げわぱぱぱぱ!! なにをいうとる! ワシじゃああぁぁぁ!! このワシじゃあああ!! 愛と正義とweb標準の申し子、魔法少女はてな(株)じゃああああ!!!!」
「そんな!! いくらなんでも設定が飛び過gどごーん
(ぐわしゃー べこーん)
「うわッ! ちょっ、はてなちゃん!? まずその金棒みたいなものを振り回すのをやめてくれないか!?」
「ぐごほほほほ!! なにをいうとる! こいつわご存じ『マジカルステッキ』じゃあああ!! 魔法少女には欠かせない七つ道具のひとつじゃあああ!!」
「えッ意味がわk(ばずーん)」
「燃えたぎる情熱のポストイットじゃあああ!!!!(どごーん)」
「ちょっ、全然話聞いてない!」


「ふぅぅぅぅ……しゅごー(水蒸気)。ちょっくら魔法を使いすぎたわい。疲労困憊じゃ。肉が食いたいのう」
「部屋が滅茶苦茶だよ……」
「うるさいのう。ところでおまえは誰じゃ」
「いやいや! ぼくだよ! laisoお兄さんだよ! ご近所さんの! 学生のフリをしてルーズリーフケース片手に大学図書館に出入りするのが得意の、いい大人のlaisoお兄さんだよッ! そりゃあ他のお兄さん達には儀礼的無関心を決め込まれているから影が薄いけど――っていうかそもそも君が訪ねてきたのでは……」
「(ほじほじ)げっふうゥーー(ごろーん)」
「おくつろぎ中ですか……」




「ども」
「あ! 君はお付きの妖精シナモンくん!」
「ちっす」
「いったいゼンタイこいつはどうなっているんだい?」
「うい。うい。」
「なんではてなちゃんが――」
「しらんわ」
「そうですか……(うッ、テンション低いな……。お付きの妖精ってなんか騒がしいタイプのイメージなのだけど……)」


(ぐこーん ぐこーん)


「ああ! はてなちゃんなにやってるの!?」
「魔法じゃ。みりゃわかるじゃろ。おまえんちの焼却炉をダイオキシン類対応型に変えたるわ」
「焼却炉がベコベコに…… どう見てもデストロっているだけのような…… はてなちゃん、君さっきから『魔法魔法』言っているけど全部チカラ技というか――」
「チッ。しゃーないのう。じゃあいっちょ本場の『魔法』ってやつをみせたるわい!!」
「(不安だ……)」


「たとえばな……このコタツの上にある麻雀牌にな、魔法をかけるとッ テリャッ セイッ 『漆黒の! ハテナァァパァァカアァァァ』ぬりゃッ
(べきーーん)
「ああ! 同種牌4牌中3牌がガラス作りにッッ!! これでは打っている最中に手がみえみえだ!」
「どうじゃ!! あっという間に魔法のチカラによって生死を賭けた闘荘が行なえるという寸法よ!! もちろん完全オリジナルじゃあああ!!」
「恐ろしい……恐ろし過ぎるぜ、はてなちゃん……」


その後はてなちゃんは「身の回りのものをすべて青龍刀に変える魔法」や「『水の精霊』の胸ぐらをつかみ、知っていることをすべて吐かせる魔法」などを披露し、鉄下駄を鳴らして帰っていった……




「ねみ」



世の中に悪と戦い、困った人を助ける無邪気な魔法少女なんてのが本当にいるかは定かではない。ただ……世の中には、魔法少女を名乗る筋骨隆々の大男が実在するということは、俺が保証しよう――

[ はてな手帳出し ]乙女手帖の心得 WOTOME NOTE

あの人に、この想いは伝わるのだろうか。
乙女手帖に書かれた「想い人」が死後七百八十日未満の場合、その想いは届かない。
ついでにスターリンは七日後に甦る(忠長の御前で)





「ムッ。何者かの視線を感じるな……」
「(ジー)……」
「きっ君は! オスメント少年!」
「(ジー)……」
「一体どういうことだ。!? まさか! この伏線は――」


(ふにゃふにゃふにゃ)


「さぁ只今をもちまして、全出場者のパフォーマンスタイム終了となりました!」
(わーわー)
「はたして! 栄えある第一回! 全世界『エア妄想』大会優勝に輝いたのは――