祖父母の思いで

幼少時代、母方の祖父母の事は非常に好きだった。と思ったところで具体的な像が思い浮かべられないことに気づいた。祖父については、仕事場の家具工場の機械で指をいくらか持って行かれ、愉快な手をしていること。競馬好きで重度の穴狙い、孫の僕に天皇賞の予想を促してくるところ。そんなこところぐらい。やっぱり僕にとっては、ファミコンを買ってくれるおじいちゃん、であったのだろうか。
祖母は未成年の僕に煙草をすすめてくるような人。後はよく覚えていない。そういえば名前すら覚えていない、今となってはひどく透明な存在となってしまっている。果たして僕はほんとうにおじいちゃんおばあちゃんっ子だったのだろうか。
と先日ツレと話していて僕の口からとんでもない言葉が出た
「じゃあ、父方のおじいちゃん達は?」
「あー死んだよーなきがするけど、生きてるかもしれん」
僕は父方の祖父母については生死すら不明なのであった。とんだおじいちゃのばあちゃんっ子だ。